中央執行委員長 山本俊一 |
新年あけましておめでとうございます。
平成31年の新年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げますとともに、旧年中に賜りました日本赤十字新労働連合会の諸活動に対する組合員の皆様のご支援ご協力に心より御礼申し上げます。
さて、内閣府の発表する月例経済報告は、ここ最近は「緩やかに回復している。先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあっ て、緩やかな回復が続くことが期待される。」と発表されているにも関わらず、実際、景気回復を実感できていません。特に国の財政状況は、少子高齢に伴い税収の伸びが無いために社会保障費の抑制が余儀なくされ厳しい時期に来ているため、医療施設にとっては厳しい時期に入ってきているのではないかと言われています。
平成30年度賃金交渉は、要求額定昇込み3%(1万1,100円)に届かないものの、職員の基準内給与は0.25%、1人当たり900円の引上げとなり、定昇込みで平均1.62%、1人当たり6,034円の改定となり、医師確保調整手当においても支給月額の限度額を41万4,800円に引き上げ、実施時期については平成31年3月1日。実施時期が、一昨年と同様な時期となり、本部としては不本意な本社回答となり残念ですが、数年間連続の賃上げ回答を引き出し、実施時期において、本社は、日本赤十字社医療事業が大幅な赤字のため、人勧準拠の基本方針に変わりはないが、実施時期が一昨年と同様な時期になったと回答があり、本部として鋭意交渉をしましたが、歩み寄りが図れなく妥結をいたしました。また、新労加盟単組の各医療施設における期末勤勉手当妥結状況を見ると近年に無い大変厳しい交渉状況となっていることが理解していただけると思います。
平成29年度日本赤十字社の決算報告については、医療施設特別会計については、約161億円の赤字決算、会計単位では90施設中、赤字は65施設となっています。また、血液事業特別会計には、約48億円の黒字決算、社会福祉施設は約44.7億円の黒字決算となり、日本赤十字社全体で、医療施設は大変厳しい状況となっています。また、平成30年度上半期の経営状況では、医療施設特別会計は総収支で昨年の同時期に比べて2億円ほど改善しているが約100億円の赤字であります。一方、血液事業特別会計は約23億円の黒字ではありましたが、昨年の同時期に比べて5億円ほどのマイナスであり、施設の改修工事等を抑制した状態です。社会福祉施設特別会計は48億円の黒字であり、昨年の同時期に比べほぼ同額でした。一般会計は社資収入だけを見ると昨年の同時期に比べて10億円ほどの増収で約121億円でした。これらから見ても医療施設の赤字が大きく、全体の8割を占めており、依然として厳しい状況と言わざるを得ません。昨年と今年も財政状況を説明する団体交渉を7月に開催しましたが、その時よりも医療施設全体の借入金の額が昨年の同時期に比べて300億円ほど増え、全体では4,000億円を超えております。今後、2025年問題など医療費の増加が見込まれるなか、医療施設の経営は大変厳しい状況になってくることは明らかで、我々連合体は、引き続き諸先輩方々が築き上げた「労使協調・良識ある組合活動」の基本路線を受け継ぎ、常に時代の変化を見据えながら問題に的確に対応していかなければなりません。また、今後もより一層組織の活性化を図り、諸要求を運動に反映させるために、「統一と団結の力」を最大限発揮し、組織の拡大と組合運動の強化を共通の認識とし、更なる躍進を続けていく決意のもと、活力あふれ魅力ある組織を築き上げていかなければならないと考えています。組合は組織力であり、組合員の皆様で築き上げるものと思っております。本年も信念は変わりなく「職員処遇の統一」を念頭に鋭意交渉を行っていきたいと思っております。そのためにも組合員皆様のお力をお借りする時があると思いますので、組合活動ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
本年も日本赤十字新労働組合連合会に対する一層のご支援をお願いするとともに、皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶に代えさせていただきます。
平成31年1月1日
日本赤十字新労働組合
執行委員長 山本俊一 |