中央執行委員長 伊藤高敬 |
新年あけましておめでとうございます。
令和2年の新年を迎えるにあたり、年頭のご挨拶を申し上げますとともに、旧年中に賜りました日本赤十字新労働連合会の諸活動に対する組合員の皆様のご支援ご協力に心より御礼申し上げます。
令和元年度賃金交渉は、要求額定昇込み3%(1万1,200円)に届かないものの、職員の基準内給与は0.21%、1人当たり802円の引上げとなり、定昇込みで平均1.57%、一人当たり5,875円の改定となり、実施時期については令和2年3月1日の回答でした。実施時期において、本社は「日本赤十字社医療事業が大幅な赤字のため、人勧準拠の基本方針に変わりはないが、実施時期が昨年と同様な時期になった」と回答があり、本部として鋭意交渉を行いましたが、歩み寄りが図れなく妥結をいたしました。実施時期が昨年と同様な結果となり、本部としては組合員の期待に応えられない妥結となり残念ですが、数年間連続の賃上げ回答を引き出すことができました。しかしながら、病院経営は厳しく、新労加盟単組の各医療施設における期末勤勉手当妥結状況を見ると、近年に無い大変厳しい交渉状況となっていることが理解していただけると思います。
今年度は、本社より、「年次有給休暇等に関する制度改正」、「賞与の新たな仕組み」という提案を受けました。「年次有給休暇等に関する制度改正」については、夏季特別有給休暇の3日を廃止するなどの提案であり、特別有給休暇を廃止することで夏季に長期休みが取りにくくなるなど、本社提案の問題点に対し新労として改善を要求し、粘り強く交渉を重ねった結果、「年次有給休暇等に関する制度改正」については、夏季休暇は、計画的付与制度の導入により必ず取得できる制度にすることや、各施設の年次有給休暇取得が抑制された場合は本社がその施設を注意指導することを本社・本部間で議事録を交わすことで、年次有給休暇の取得が現行制度と同等に取得できる制度に改善がみられたことから妥結するに至りました。「賞与の新たな仕組み」については、法人業績部分と施設業績連動部分の二層化するもので、法人業績部分は本社本部間で春闘での交渉となり、15年進展が見られなかった給与要綱第35の改正が僅かであるが前進がみられる提案でした。しかしながら、法人業績部分は最低保証額として全施設に対する保証額となるとの説明があるものの、それ以上の情報は二層化の枠組み合意後として詳細な情報が提供されることはありませんでした。また、春闘は新労の年間計画にも影響があるため、開始時期の見直しを提案してきたが交渉は平行線をたどり、本社が協定破棄を視野に入れる段階まで交渉は難航しましたが、最終的には妥結に至り、協定破棄により新労60年の歴史とも言える協約を守ることを選択しました。今年度は大きな案件がありましましたが、ひとえに新労傘下の各単組の方々のご理解のおかげでまとめることができたことを感謝しております。我々連合体は、引き続き諸先輩方々が築き上げた「労使協調・良識ある組合活動」の基本路線を受け継ぎ、常に時代の変化を見据えながら問題に的確に対応していかなければなりません。また、今後もより一層組織の活性化を図り、諸要求を運動に反映させるために、「統一と団結の力」を最大限発揮し、組織の拡大と組合運動の強化を共通の認識とし、更なる躍進を続けていく決意のもと、活力あふれ魅力ある組織を築き上げていかなければならないと考えています。組合は組織力であり、組合員の皆様で築き上げるものと思っております。本年も信念は変わりなく「職員処遇の統一」を念頭に鋭意交渉を行っていきたいと思っております。そのためにも組合員皆様のお力をお借りする時があると思いますので、組合活動ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
本年も日本赤十字新労働組合連合会に対する一層のご支援をお願いするとともに、皆様の益々のご健勝とご活躍を祈念し、新年の挨拶に代えさせていただきます。
令和2年1月1日
日本赤十字新労働組合
執行委員長 伊藤高敬 |